トップ > 院長のひとりごと > <咳の患者さん>

<咳の患者さん>

最近咳の症状で受診される患者さんがたくさんいます

急性期(2週間以内)の方は、上気道炎によるものがほとんどです

発症時の症状をお聞きし、コロナの可能性、インフルエンザの可能性(現在はまだいません)、それ以外のウィルス疾患の可能性、または、細菌感染や、それ以外の病原体(マイコプラズマなど)の可能性を考えます

ウィルス性の上気道炎の後に、一カ月程度咳が続くことは決して稀ではありません

また、コロナ感染後の咳は、長い方で3ヶ月から半年くらい続くことも有ります

6週間以上続く咳の中には、結核や非定型抗酸菌症などの慢性感染症や、気管支喘息などのアレルギー性疾患、逆流性食道炎などの消化器疾患、慢性気管支炎や肺気腫などの慢性呼吸器疾患、稀に肺がんなどの悪性疾患などが隠れていることが有り、胸部レントゲンなどの検査を施行することも有ります

咳がよくならないと受診される方で、発症初期から吸入ステロイドを処方されている方がいますが、感染症に対して吸入ステロイドは却って増悪させる場合もあり、診断を間違えると直すどころか長引かせることになります

また、気管支拡張薬の貼付剤を「咳止め」と言われて処方されてくる方もいます

しかし、この貼付剤はβ刺激薬という気管支拡張剤であり、いわゆる咳止めではありません

喘息や気管支炎では効果が出ることが有りますが、それ以外の疾患では効果が無いばかりか、頻拍や手の震えなどの副作用がみられることが有りますので、気を付けて下さい

とはいえ、長引く咳の診断は大変難しいものです

また、全国的に咳止めや去痰剤、抗生剤は品薄状態が続いています

出来るだけ風邪などをひかないよう、お願いします