トップ > 院長のひとりごと > <新型コロナ感染症第6波>
<新型コロナ感染症第6波>
今日は長い文章になります。
新型コロナ感染症は第6波の真っただ中です。今もなかなか新型コロナ陽性者数は減ってきておらず、ピークは当初の予想よりも後ろにずれるかもしれません。松本市は本日過去最高の154人と発表しました。
東京都の発表を見ていると、第5波の時は6月21日の236人から徐々に増加傾向がみられ、3週間後の7月14日に1000人を超え、7月31日に4000人越え、8月13日に最大5773人を記録しました。その後は徐々に減少し、8月31日は1915人、9月6日には1000人を切り、9月16日以降は3桁となり、10月9日以降は2桁となっていました。11月、12月は一桁の日も見られていました。第5波は増加傾向がみられてからピークまでおよそ2か月、その後一か月程度で落ち着いてきていました。
東京で広がると2週間程度遅れて全国で広がり、東京で落ち着くとやはり1から2週間程度遅れて全国でも落ち着きを見せていました。
さて、第6波の傾向はどうなっているのでしょうか。
東京では昨年12月14日以降は二桁でしたが、1月3日に100人を超えました。その後急増し、1月8日には1000人を超え、1月14日には4000人、1月22日には10000人、2月2日は最大21576人を記録しました。本日は先週の水曜日より少し少なくなり18287人でした。
第5波は増え始めてから一か月半くらいでピークが来ましたが、第6波では一か月半経ってもまだピークに達したのかわかりません。減る傾向はまだ見えていないように思います。増え方も桁外れに急激です。
これだけ陽性者数が増えると、それにつれて重症者も増えます。重症者が増えるとそれにつれて死者も増えてしまいます。昨日2月8日は全国で過去最多の159人がお亡くなりになりました。
新型コロナ感染症の重症度分類については2020年11月12日のブログでも書きましたが、軽症は決して軽くはありません。中等症は一般的な感覚では限りなく重症に近いと思います。
簡単に言うと、どんなにつらい症状が有っても軽症で、肺炎の所見と息苦しさが有ってやっと中等症ですが、酸素を吸っているだけでは重症にはなりません。全身状態が悪く集中治療が必要になり始めて重症です(東京では人工呼吸器やECMOがついてやっと重症です)。
第5波の時も始めは若い世代に感染が広がりこの世代が悪者扱いされましたが、その後高齢者に広がり、医療逼迫となり大変でした。
第6波で広がっているオミクロン株は第5波の時のデルタ株に比べて感染力が異常に強く、やはり若い世代で広がり、特に顕著なのは10歳以下の世代でも感染が広がっていることです。親の世代から子の世代に感染し、その後子供の世代で広がり、その親にうつしてしまうという悪循環で、現在多くの方が感染しているのではないでしょうか。この連鎖をどこかの場面で断ち切らないと広がりを抑えられません。
オミクロン株はこれまでの株に比べて症状が軽いといわれています。
無症状、軽症の方の報告が多いことは確かです。しかし、前述しましたが、全国の死亡者数はこれまでの最多を記録しました。
オミクロン株の後遺症についてはまとまった報告はありません。自分の症状を公表されている方の状態を見ると、本当に1,2日熱が出るくらいで、それほど苦しくなかった人から、感染後味覚、嗅覚障害が出て、その後続いている人まで様々です。当院に相談のある方の中にも、肺炎はないといわれたが咳が続いて息苦しいという方や、体のだるさがいつまでたっても取れないという方など、不調が長く続いている方もいます。
明るい話題も出てきました。一昨日、塩野義製薬さんが新型コロナ感染症に対する内服薬の承認申請を近いうちに出すという報道がありました。この薬は、コロナウィルスが増殖するときに必要な酵素を阻害することにより細胞内で増えるのを抑えます。治験段階ではいい成績だったようで、海外製の内服薬よりも安価で承認されることを願います。発症後なるべく早く内服したほうが効果が高いと考えられますので、診療所レベルで処方できるよう国も考えていただきたいと思います。
ただ、まだまだ先は見えません。オミクロン株の感染力を考えるとこれまでのコロナウィルスよりも更に厳重な予防対策が必要でしょうか。
松本市は本日過去最高の154人と発表しました。
東京の人口に換算すると10000人程度になるでしょうか。誰が感染してもおかしくない状況です。もしかしたら完全に感染を防ぐのは無理かもしれません。しかし、感染する可能性を可能な限り減らすことは出来ると思います。
まずは大人がかからないようにして子供に広げないようにしたいです。
不特定多数の方のいるもしくは出入りするところでは出来る限りマスク(可能なら不織布)を外さない。
長い時間同じ場所に居続けない。
家に帰ったらすぐに石鹸で手を洗う。可能なら着替える。
自分が感染源にならない注意も必要です。自分も感染しているかもしれないといつでも考え、体調がおかしいときは出来るだけ人と接触しないようにする。
治療薬が出てくる頃にこの波が治まっていれば、それ以降はあまり増えなくて済むのではないでしょうか。
この、先の見えないマラソンも、ゴールは近くなってきているように感じます。
- 2024.11.2512月の休診日のお知らせ
- 2024.11.16受診の際のマスク着用のお願い
- 2024.10.25感染症状などで受診希望の方へのお願い
- 2024.09.23コロナ予防接種について
- 2024.09.23インフルエンザ予防接種について