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<新型コロナウィルス感染症の重症度分類>

新型コロナウィルス(COVID-19)感染症のニュースを見ているとよく、軽症が何人、重症が何人という報道が有ります。また、感染した患者さんのうち無症状を含む軽症者が80%と言われます。しかし、軽症と言われた患者さんでも、大変つらかったとか、治ったと言われた後でも体調が悪いということも聞かれ、後遺障害の報告も多数みられます。

では、実際の重症度分類はどうなっているのでしょうか。

今年7月に厚生労働省から出された「新型コロナウィルス感染症診療の手引き(第2.2版)」では、医療従事者が評価する基準で軽症、中等症Ⅰ、中等症Ⅱ、重症に分類されています。

簡単に言うと、

・軽症は、咳以外の息切れなどの自覚症状は無く、多くが自然軽快するが、急速に進行することもある

・中等症Ⅰは、息切れ、肺炎の所見が有り、入院の上慎重に観察が必要だが、呼吸不全が無い

・中等症Ⅱは、呼吸不全が有り酸素投与が必要

・重症は、ICUに入院もしくは、人工呼吸器が必要な状態

とされています。

しかし、最近の報道発表では酸素投与が必要な患者さんを中等症とし、咳や息苦しさ、つらいなどの自覚症状が有っても酸素投与が必要ない場合は軽症と分類されているようです。上記の中等症Ⅰは軽症と分類されているケースが多いようです。

現時点で長野県では基本全例入院となっていますが、今後患者さんが増えた場合は軽症者は自宅待機となるかもしれません。息苦しくて自宅で診ているのはなかなかつらいものが有るでしょうし、家族としても診ていられないケースも考えられます。

やっぱりこれ以上増やさない努力を今後も継続していくしかないのではないでしょうか。