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<今年のインフルエンザ>

今年のインフルエンザはどうでしょう。

県内で今シーズン初めてインフルエンザの報告があったのが第36週(9月3日の週)でした。この時はマスコミも大分騒いでいました。さらに、例年の如くというか、今までのことは棚に上げて、今年のインフルエンザの流行は早い可能性があるとまで言っていました。

その後インフルエンザの報告(県が定点医療機関からの報告数を毎週発表しています)では昨年、一昨年に比べて大分少ないようです。

実は、昨シーズンの県内のインフルエンザの第一報は第32週(8月7日の週)でした。その後県内あちらこちらで毎週数例から10例程度ずつ報告が有りました。

一昨年のシーズンは第39週から報告があり、11月に入り少しずつ増えていました。

2週間ほど前に安曇野市と長野市で学級閉鎖の報告が有り、その後少しずつ患者数は増えてきているようですが、昨年ほどではありません。

当院では11月26日に第一例目の患者さんが来院されましたが、それ以降は1例のみ来院されています。昨年に比べると、感染性胃腸炎が多い印象で、やはり、インフルエンザ感染を疑う方は少ないような感じです。

こういう年は春先までインフルエンザの患者さんが来院されるのではないかと心配になります。

予防接種の効果は接種後3ヶ月から5ヶ月と言われていますので、12月末ころまでに接種が終われば、感染拡大時には効果が出て、春先まで持続するのではないかと思います。

ただ、今年のインフルエンザワクチンの生産量も昨年と同じくらいとのことで、当院でも新規で予約をお受けできない状況です。

昨シーズンの終わりに新しい抗インフルエンザ薬が発売になり、今までの抗インフルエンザ薬とは作用機序が違い、また、1日1回の内服でコンプライアンスがいいとのことで発売数が伸びているようです。しかし、まだわからないことが多い薬剤で、耐性ウィルスの発現が多くなるとの報告もありますので、何年か経過を見ないと結論が出ないのではないでしょうか。当院では積極的な使用は控えたいと思っています。