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<腸管出血性大腸菌O157>

数日前、埼玉県のスーパーで買ったポテトサラダを食べて腸管出血性大腸菌O157による食中毒にかかり、女の子が一時重症となったようです。現在快方に向かっているとのことで一安心です。

梅雨から夏にかけて、特に今年は高温多湿な状態が続いていますので、食中毒には注意が必要です。

夏の食中毒を起こす原因菌としては、カンピロバクター(潜伏期が1~7日)、サルモネラ(6~72時間)、黄色ブドウ球菌(1~3時間)、腸炎ビブリオ(8~24時間)、腸管出血性大腸菌(3~8日)などがあげられます。O157は腸管出血性大腸菌の中に入ります。

食中毒を招く細菌が増殖しても、食べ物の見た目や味は変わらず、においもしません。そのため、食事の準備をするときには、細菌を「つけない」「増やさない」、加熱などで「やっつける」を心がけるしかありません。

1996年に学校給食が原因となった大規模なO157による集団食中毒が発生しました。O157という言葉も皆さんの中に大分浸透していると思います。今回スーパーで買った食品でこの食中毒が起きたことは大変ショックでした。

一般的には1.生鮮食品は新鮮なものを購入すること。2.表示のある消費期限を確認して購入すること。3.購入した食品は肉や魚など水分が漏れないようビニール袋などで分けて包んで持ち帰ること。4.冷蔵、冷凍などの食品の購入は買い物の最後にし、購入後はすぐに冷蔵庫で保管すること。5.冷蔵庫は10度以下、冷凍庫は-15度以下に維持することを目安とし、詰めすぎに注意すること。6.肉、魚、卵などを取り扱う前と後には必ず手指を流水で充分に洗い流すことが大事です。

多くの細菌は100万個以上が身体の中に入らないと食中毒は起こりませんが、O157は感染力が非常に強く、100個程度の細菌が入っただけでも病気を起こすことが有ります。また、O157は低温に強く、冷凍庫内でも生きています。また、酸性にも強く胃酸にも負けずに生き残ります。熱には弱く、75度以上1分間の過熱で死んでしまいます清潔、乾燥、低温を保つことで増殖を抑えることが出来ます。

感染すると、下痢、腹痛、微熱を生じます。激しい腹痛に襲われ、時に血便が出ます。重症化すると、体がむくんだり、意識障害などの脳症を起こします。

感染力は強いのですが、健康な成人の場合知らないうちに治ってしまうことが多く、5から10日で症状はなくなります。ただし、症状がなくなった後も1~2週間くらい腸の中にはO157が残っていると言われますので、注意が必要です。免疫力、抵抗力の低い小児や高齢者では重症化することが有り、「ベロ毒素」を産生するようになると、脳症を起こすことが有りますので、注意が必要です。

皆さんも「つけない」「増やさない」「やっつける」を心がけ乗り切ってください。